クソガキさんは二月十三日の午後五時に日本を離れアメリカに向かいました。
離陸後、横にいたアメリカ人のおっさんが機内食の晩飯についてきたクッキーを食べたくなかったそうで差し出してきたので、それを日本茶で頂いたりしているうちに、日付変更線を越えました。日付変更線を越えたことによって《時間のねじれ/Time Warp(M10)》が発動、これを書いている今でも二月十三日のままです。
日付変更線を越えても長く続くフライト。横にいたおっさんは今度は朝飯のソーセージを両極端のちょっとねじれたところだけ残している。そのくらい食えよおっさん、とクソガキさんは心の中で突っ込まずにはいられません。
それからしばらくして目的地の空港に到着。前日までの日本での夜更かし生活が祟って機内では三十分ほどしか寝られず、すでにグロッキー。
空港の強面なでかいスキンヘッドのおっちゃんにウインクされて送られながら留学先の迎えが待つ場所へ。
迎えの場所に行ってしばらくすると移動が始まります。何をするのか尋ねると、大学へ行って昼ごはんを食べるとのこと。時差のせいで二十四時間働きづめな胃袋に平穏は訪れないんですかね……(魂の叫び)
バスに乗って、一路大学へ。山を走っているからか、景色に見える山の頂上には雲がかかり、また進んでいくと雪山になっていきます。そして平坦な道路の横には完全に氷の張った湖(画像1)が。 北海道ロシアの方々はこんな景色を毎日見ているんだろうなとクソガキさんは憐みの気持ちに包まれます。
その景色もバスの向こう側に走り去っていき、クソガキさんはいつの間にか眠りにつきました。一時間後、バスが騒がしくなったので起きてみると、どうやらもう到着した模様。クソガキさんたちはバスを降り、荷物を持って寮へ。この時点でクソガキさんは右の二の腕が筋肉痛になっていることを知ります。そんな変な寝方をした覚えはないんだが。
留学先大学の生徒の一人に連れられ寮へ入り、まず荷物を置くように部屋のカギを渡されます。クソガキさんは指定された部屋の扉をくぐります。ルームメイトがいるという話を聞いていたので緊張していたのですが、どうもでかけているようで誰もいません。PCが起動している最中なのを見ると少し席を外しているところなのでしょうか。ふと、机の上を目にします(画像2)。
本人による自己紹介をまたずして安土竜くんの名は僕に知られることとなりました。
その後ロビーへ。さして広くはないけれどテレビにソファにビリヤードテーブルと、快適そうな空間。クソガキさんたちはビリヤードテーブルに置かれた、縦十五センチ幅二十数センチほどはある黒い箱に目をやります。どうもあれが昼飯の模様。どんなものが入っているのかと中をあけてみると、どうもパンと食材が入っていてサンドイッチのようにして食べるもののよう。クソガキさんは必死にアメリカンな肉塊を探しますが、レタスとトマトしか見当たらない。パンにチーズとレタスとトマトをパパっと挟んで終わりっ! な、以外にもヘルシーな昼飯に舌鼓。が、ふと目に入る小さな袋。それには「lightly salt」 なる文字が。
開けてみると、それはポテチでした。「lightly salt」 だし食うか、とそれを口に入れたクソガキさんはこう思いました。塩軽くねえし油の量が半端じゃねえ。
平穏のない胃袋には効いた一撃でした。いっしょについてきたクッキー食えなかったゾ~。
食べ終わり学校案内へ。学校は山奥の田舎ということもあって、千個くらいは白マナが出そうなほど《平地/Plains(TSP)》が並んでいました。
ということは、どういうことか。クソガキさんは気付きました。
(少なくとも日本人の感覚で) 近所にカードショップはない。
クソガキさんのアメリカでマジックを楽しむという目標が早くも崩れ去ろうとしています。
それはさておき、何時間かかけてだだっぴろい学校の敷地内を紹介し終えたあとは、ようやくクソガキさんお待ちかねのPCにネットを繋ぐ作業です。日付変更線なうをツイッターで言いたかったあの気持ちがまだ残っている。が、これも先に別の組がやるということでこれまた何時間か待たされ、ようやくクソガキさんたちの番。まぁこれはここまで引っ張っておいて面白いこと何一つないんで省略しますね。
その後寮の留学生メンバーでディナー(平穏のない胃袋にはとてもきつかった)をとり、ちょっとしたミーティングで翌日の予定を確認した後、それぞれの部屋へ。
クソガキさんが部屋のカギを開けようとすると、中から声が。開けてみると、そこには安土竜の姿が。白人のアメリカ人のちょっとオタクっぽいファッティな男の子を想像してもらえばそれが安土竜です。容姿は幼め。
軽く自己紹介を交え、疲れを振り切って安土竜とトークへ。ちなみにこの時点では一時間半の睡眠で三十時間活動していて、両腕が肩から手首くらいまで筋肉痛でした。クソガキさんはもやしっ子なので……。
安土竜くんは興奮した様子でクソガキさんに話をかけてきます。まずわかったのが彼はポケモンが大好きなこと。しかも好きなソフトがソウルシルバーということで日本から持って来れば良かったなー、と後悔。が、その後悔は安土竜君のソウルシルバーを見させてもらって消し飛ぶことになる。
クソガキさんはポケモンガチ勢の友人の言葉を思い出しました。「外国人は努力値も個体値も知らないカジュアルパーティが多い」という言葉を。
安土竜くんは多分バクフーンの技構成を「かえんほうしゃ・だいもんじ・オーバーヒート・かえんぐるま」とかにしちゃうタイプです。クソガキさんは一応昔ちゃんとやってたので雨パとか持っているので……しかもやどりぎみがわりあめうけざらルンパとかいうクソポケ。
また安土竜くんはSFが好きなようです。画像1の「安土竜」の横の青いのが見えるでしょうか。どうもあれは彼自身が描いたロケットのようです。「DOCTOR WHO」という映画が好きなんだとか。英語でいろいろ説明されたけど英会話力がなくてそもそも理解できないのか説明を理解しようとしてないのかなんだかでクソガキさんにはよくわかりません。クソガキなので。
安土竜くんの話がひと段落ついたところで、クソガキさんは自分の話を持ち出します。財布に仕込んだ《朽ちゆくネズミ/Rotting Rats(CON)》(前日に入れたはずなのにボロボロ)を見せながら、自分はMTGが好きだ、と話しました。
このあたりにカードショップがなさそうなら、大学内でやっているコミュニティに混ざろうというほぼダメもとに近い算段です。果たして安土竜くんは、MTGを知っていました。
が、彼自身がプレイしているわけではなく、ただ知っているだけとのこと。クソガキさんは少し肩を落としますが、直後、安土竜くんから嬉しい言葉が。
「大学内にMTGやってるグループあるよ」
クソガキさんは食いつきました。安土竜くんはとても良い子で、いろいろ話してるといつの間にかそのグループに紹介してもらえることになっていました。クソガキさんは安土竜くんに感謝します。
その後いくらかのことを話して消灯時間が近づきます。安土竜くんはこれを書いている横で寝ています。いびきがすごいです。安土竜くんはうつ伏せで寝るタイプのようです。だからいびきがでるんじゃないですかね。
ともあれ明日紹介してもらえることになっているので、楽しみにしながらクソガキさんはベッドに入ります。
(多分)続かない
離陸後、横にいたアメリカ人のおっさんが機内食の晩飯についてきたクッキーを食べたくなかったそうで差し出してきたので、それを日本茶で頂いたりしているうちに、日付変更線を越えました。日付変更線を越えたことによって《時間のねじれ/Time Warp(M10)》が発動、これを書いている今でも二月十三日のままです。
日付変更線を越えても長く続くフライト。横にいたおっさんは今度は朝飯のソーセージを両極端のちょっとねじれたところだけ残している。そのくらい食えよおっさん、とクソガキさんは心の中で突っ込まずにはいられません。
それからしばらくして目的地の空港に到着。前日までの日本での夜更かし生活が祟って機内では三十分ほどしか寝られず、すでにグロッキー。
空港の強面なでかいスキンヘッドのおっちゃんにウインクされて送られながら留学先の迎えが待つ場所へ。
迎えの場所に行ってしばらくすると移動が始まります。何をするのか尋ねると、大学へ行って昼ごはんを食べるとのこと。時差のせいで二十四時間働きづめな胃袋に平穏は訪れないんですかね……(魂の叫び)
バスに乗って、一路大学へ。山を走っているからか、景色に見える山の頂上には雲がかかり、また進んでいくと雪山になっていきます。そして平坦な道路の横には完全に氷の張った湖(画像1)が。
その景色もバスの向こう側に走り去っていき、クソガキさんはいつの間にか眠りにつきました。一時間後、バスが騒がしくなったので起きてみると、どうやらもう到着した模様。クソガキさんたちはバスを降り、荷物を持って寮へ。この時点でクソガキさんは右の二の腕が筋肉痛になっていることを知ります。そんな変な寝方をした覚えはないんだが。
留学先大学の生徒の一人に連れられ寮へ入り、まず荷物を置くように部屋のカギを渡されます。クソガキさんは指定された部屋の扉をくぐります。ルームメイトがいるという話を聞いていたので緊張していたのですが、どうもでかけているようで誰もいません。PCが起動している最中なのを見ると少し席を外しているところなのでしょうか。ふと、机の上を目にします(画像2)。
本人による自己紹介をまたずして安土竜くんの名は僕に知られることとなりました。
その後ロビーへ。さして広くはないけれどテレビにソファにビリヤードテーブルと、快適そうな空間。クソガキさんたちはビリヤードテーブルに置かれた、縦十五センチ幅二十数センチほどはある黒い箱に目をやります。どうもあれが昼飯の模様。どんなものが入っているのかと中をあけてみると、どうもパンと食材が入っていてサンドイッチのようにして食べるもののよう。クソガキさんは必死にアメリカンな肉塊を探しますが、レタスとトマトしか見当たらない。パンにチーズとレタスとトマトをパパっと挟んで終わりっ! な、以外にもヘルシーな昼飯に舌鼓。が、ふと目に入る小さな袋。それには「lightly salt」 なる文字が。
開けてみると、それはポテチでした。「lightly salt」 だし食うか、とそれを口に入れたクソガキさんはこう思いました。塩軽くねえし油の量が半端じゃねえ。
平穏のない胃袋には効いた一撃でした。いっしょについてきたクッキー食えなかったゾ~。
食べ終わり学校案内へ。学校は山奥の田舎ということもあって、千個くらいは白マナが出そうなほど《平地/Plains(TSP)》が並んでいました。
ということは、どういうことか。クソガキさんは気付きました。
(少なくとも日本人の感覚で) 近所にカードショップはない。
クソガキさんのアメリカでマジックを楽しむという目標が早くも崩れ去ろうとしています。
それはさておき、何時間かかけてだだっぴろい学校の敷地内を紹介し終えたあとは、ようやくクソガキさんお待ちかねのPCにネットを繋ぐ作業です。日付変更線なうをツイッターで言いたかったあの気持ちがまだ残っている。が、これも先に別の組がやるということでこれまた何時間か待たされ、ようやくクソガキさんたちの番。まぁこれはここまで引っ張っておいて面白いこと何一つないんで省略しますね。
その後寮の留学生メンバーでディナー(平穏のない胃袋にはとてもきつかった)をとり、ちょっとしたミーティングで翌日の予定を確認した後、それぞれの部屋へ。
クソガキさんが部屋のカギを開けようとすると、中から声が。開けてみると、そこには安土竜の姿が。白人のアメリカ人のちょっとオタクっぽいファッティな男の子を想像してもらえばそれが安土竜です。容姿は幼め。
軽く自己紹介を交え、疲れを振り切って安土竜とトークへ。ちなみにこの時点では一時間半の睡眠で三十時間活動していて、両腕が肩から手首くらいまで筋肉痛でした。クソガキさんはもやしっ子なので……。
安土竜くんは興奮した様子でクソガキさんに話をかけてきます。まずわかったのが彼はポケモンが大好きなこと。しかも好きなソフトがソウルシルバーということで日本から持って来れば良かったなー、と後悔。が、その後悔は安土竜君のソウルシルバーを見させてもらって消し飛ぶことになる。
クソガキさんはポケモンガチ勢の友人の言葉を思い出しました。「外国人は努力値も個体値も知らないカジュアルパーティが多い」という言葉を。
安土竜くんは多分バクフーンの技構成を「かえんほうしゃ・だいもんじ・オーバーヒート・かえんぐるま」とかにしちゃうタイプです。クソガキさんは一応昔ちゃんとやってたので雨パとか持っているので……しかもやどりぎみがわりあめうけざらルンパとかいうクソポケ。
また安土竜くんはSFが好きなようです。画像1の「安土竜」の横の青いのが見えるでしょうか。どうもあれは彼自身が描いたロケットのようです。「DOCTOR WHO」という映画が好きなんだとか。英語でいろいろ説明されたけど英会話力がなくてそもそも理解できないのか説明を理解しようとしてないのかなんだかでクソガキさんにはよくわかりません。クソガキなので。
安土竜くんの話がひと段落ついたところで、クソガキさんは自分の話を持ち出します。財布に仕込んだ《朽ちゆくネズミ/Rotting Rats(CON)》(前日に入れたはずなのにボロボロ)を見せながら、自分はMTGが好きだ、と話しました。
このあたりにカードショップがなさそうなら、大学内でやっているコミュニティに混ざろうというほぼダメもとに近い算段です。果たして安土竜くんは、MTGを知っていました。
が、彼自身がプレイしているわけではなく、ただ知っているだけとのこと。クソガキさんは少し肩を落としますが、直後、安土竜くんから嬉しい言葉が。
「大学内にMTGやってるグループあるよ」
クソガキさんは食いつきました。安土竜くんはとても良い子で、いろいろ話してるといつの間にかそのグループに紹介してもらえることになっていました。クソガキさんは安土竜くんに感謝します。
その後いくらかのことを話して消灯時間が近づきます。安土竜くんはこれを書いている横で寝ています。いびきがすごいです。安土竜くんはうつ伏せで寝るタイプのようです。だからいびきがでるんじゃないですかね。
ともあれ明日紹介してもらえることになっているので、楽しみにしながらクソガキさんはベッドに入ります。
(多分)続かない
コメント
続きに期待してます。
クソガキ冒険記の続編に期待しております^^
暇で気力がある時でいいので、是非外国の話を聞かせてください。
オレはまじで好き
無事ついてよかったな あやうく俺のかがり火が飛行機うちおとすところだったよ